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Problem Child 2 プロブレム・チャイルド2

アメリカ映画 (1991)

マイケル・オリバー(Michael Oliver)が主役を演じる悪童コメディ映画『プロブレム・チャイルド/うわさの問題児』の続編。第1作がヒットしたので、早くも翌年に続編が作られたが、その際の金銭的トラブルでマイケル・オリバーの子役人生が終ってしまったことは既に述べた。ただし、この続編の出来はあまり良くない。その最大の理由は、マイケル演じるジュニアより2歳年下で、かつ、もっと邪悪なトリクシーなる女の子を登場させたこと。問題児ジュニアがやられるようでは、主役が分裂してしまい面白みが半減する。さらに、前作で目立ち過ぎた祖父がさらに出しゃばり、これまた主役をぼかしている。脚本家がなっていないのか、それをOKした製作陣がお粗末なのか。救いは、マイケルが頑張っていること。しかし、第1作と1歳違うだけで、顔の表情が若干固定化されてしまい、奇抜な表情はなくなってしまった。

ジュニアと養父のベンは、さんざんだった故郷の町を離れ、少なくとも2晩を使って数百マイル離れたモートビルという架空の町に行く。家のすぐ近くまで行った時、ジュニアは、小さな女の風船をパチンコで割ってしまうが、それが町一番の問題児トリクシーとジュニアとの因縁の始まりだった。この町は住民の多くがバツイチの女性で占められているので、30代の好男子のベンは注目の的になる。一方のベンも、ジュニアのために母親が欲しいので、アタックしてくるバツイチ女性に積極的に応対する。これが、ベンと2人だけで暮らしたいジュニアの意志とぶつかり、笑いを誘う。ジュニアが主導する笑いは、入学した小学校の校長が、以前、児童福祉担当者としてジュニアにさんざん悩まされたピーボディ。子供嫌いで、子供を虐めようと校長になったのに、そこにジュニアが現れたので、3年生でなく6年生に飛び級させ、1年で追い出そうとする。学校でのシーンは3回あるが、そのうち2回はジュニアがトリクシーに虐められるという逆の立場。この悪の権化のような少女は、ちっとも可愛くなく、それがまた興を削ぐ。最後は、町一番の金持ちの女性がベンと結婚しようと画策し、それに、破産して逃げてきたベンの父〔祖父〕が一枚絡んで、どたばた喜劇となる。前作が割とストレートだったのに対し、こちらはごった煮だ。ごった煮は美味いものではない。

マイケル・オリバーは、1歳年を取り、撮影時9-10歳。笑顔は相変わらずだが、可愛らしさが減ってしまった。


あらすじ

住み慣れた町を出るベンとジュニア。車は、引っ越し荷物を入れた小さなトレーラーを引っ張っている。ベン:「感傷的になっちゃうな。僕は、ここで生まれて育ったんだ。みんな顔なじみ。懐かしい思い出で一杯だ」。ジュニア:「懐かしい思い出? 何言ってんのさ。みんながあんたを嫌ってる。父さんも、奥さんも、最悪のご近所も」。「そうだった。じゃあ、急いでずらかるか(Let's blow this joint)」。そう言うと、ベンは急にアクセルを踏み、町の境界の標識にワザとぶつかって故郷を後にする(1枚目の写真)。そして、すぐにタイトル。2人は実に仲がいい。最初のモーテルでも、ドーナツ店でも、アイスクリーム店でも、ファーストフード店でも、途中で用を足す時も(2枚目の写真)。着ている服すら同じだ。夜通し運転する時は、最初にベンが運転し、次には、運転を交代してジュニアが運転する(3枚目の写真)。こうして2人はモートビルに着いた。
  
  
  

町に入ってジュニアが最初にしたことは、愛用のパチンコを取り出して(1枚目の写真)、ローラースケートで歩道を走ってした小さな女の子の風船を割ったこと。ジュニアを睨みつける女の子の顔が怖い(2枚目の写真)。ベンはこじんまりした2階建ての家の前で車を止める。新しい我が家だ。車から降りたベンを見た近所の女性が「何てこと! イケメンじゃないの」。他の女性が、「不動産屋が、独身だって言ってたわ」。その言葉に、じっと見ていた女性達が各自の家に向かって一斉に走り出す。一方、真っ先に家に飛び込んだジュニア。「めっちゃすごいや! 最高(Radical)!」と大喜び。ジュニアはベンに抱き着き、最高の新生活が始まる予感が漂う(3枚目の写真)。
  
  
  

しかし、その予感は、チャイムの音で破られる。ベンがドアを開けると、そこには、お近付きにと、手製のパイを持った女性が。ジュニアは、「ご親切に」とパイを受け取ると、邪魔だとばかりにさっさとドアを閉める。非礼な行為を怒ったベンが、謝ろうとドアを開けると、別の女性がカップケーキの乗った皿を持っている。外で声がするのでベンがドアから出て見ると、そこにはお菓子や料理を持った女性の長い列が(1枚目の写真)。ベンが順にプレゼントを受け取っていると、そこに隣家の禿げた男性が現れる。「ありがたい。男だ。これで話せる相手ができた。気が変になりそうだった。あのな、この町は、世界中のバツイチの首都なんだ」。ベンは、自己紹介した後、「これは、息子のジュニアだ」と紹介。ジュニアをチラと見た男は、「面白い顔した子だな」〔当然、ジュニアは面白くない〕。隣人は2人を野外バーベキューに誘う。庭には巨大な調理器具が置いてある。「なあ、お隣さん、これどう思う? 巨大だろ? 1ヶ月分の給料をはたいたんだ」。あまり話しに乗ってこないベンを見て、「興味なしか。奥さんが料理するんだな」。ベンが離婚したと話すと、「ガキだと? 損な話だ(Bad deal)! 一杯食わされちまったな(Did you get screwed)」。一方、ジュニアは男の双子の姉妹に、「隣に引越してきたんだから、10ドルずつ払いなさいよ」と要求され、「1セントだってやるもんか」とプリプリ。男の話はさらに続く。「この町のヒヨコと種馬の比率は50対1だ。覚悟するんだな」。この家族に嫌気がさしたジュニアは、「パパ、もう行こうよ。このウチの人はみんなクソッタレだ」といつもの調子で、思ったことを口に出す(2枚目の写真)。それを聞いた男が、「これは失礼しました、王子様。ドジな私めと娘どもは、あなた様のお偉いお好みに合いませんで… シルクのタキシードを着て、シャンパンとエスカルゴをお出しすればよかったですかな」と皮肉る。ジュニアは爆発寸前。ベンの「礼儀を忘れるな。招待されてるんだぞ」に、「そうだね、パパ」と応えたものの、ジュニアはバーベキューの大きな器具の裏に回ると、置いてあっプロパンガスのボンベを全開にする(3枚目の写真)。マッチで点火しようとした男性は、空高く吹き飛ばされた〔コメディなので、ケガはしない〕。
  
  
  

翌日。ジュニアの最初の登校日。ジュニアは車から出ようとしない。「車から下りろ。学校に行くんだ」。「ヤだよ。クソ食った方がマシだ」(1枚目の写真)。「3年生は、教育の基礎なんだ。行かないと損するぞ」。それでも動かないので、車のシートごと外に出される。一方、校長室では、前の町で孤児担当だったピーボディが電話に向かって自慢げに話している。「転職したのは、実に賢い決断だったよ。校長は最高だね。俺は、ガキどもが嫌いだからな。校長が怒鳴れば、何でも言う通り。四つんばいで這い回ったり、窓から飛び降りたり、何でもさせられる」。途方もない校長だ。そこに、机の上の呼び出し機から、「校長先生、転入生が来ています」との連絡。校長は、「後でかけるよ。これから、チビの弱虫の一人を片付けるんだ」と電話を切ると、秘書に向かっては、「おちびちゃんを寄こして」と甘い声で言う。そして、ドアが開き、ジュニアが入って来てニッと笑う(2枚目の写真)。恐怖の一瞬だ。驚きのあまり両手で頭を抱えて叫ぶ校長(3枚目の写真)。ジュニアは、「おい、脳たりん(pea-brain)、こんなトコで何してんだよ?」と訊いて、勝手にイスに座る。「俺が何してるだと? お前こそ何してる。ここはお前の町じゃない。モートビルだぞ。ここにいるはずがない。そうか、悪い夢なんだ。お前は俺の想像の産物なんだ」。ジュニアは、「僕が、あんたの想像の産物なら、こんなことできるか?」と大きなオナラをする。「この、いやらしい、毒ガス坊主め!」。そして、何年生に編入か訊く。「3年生? てことは、まだ4年もここにいるのか? こんなのは間違いだ。お前は天才だ。そんな風に腸内ガスを出せる奴は頭がいいに決まってる。だから、6年生に入れてやる。1年だけで、他の学校に行ける」。かくして、ジュニアは3年飛び級して、一気に最上級生となった。
  
  
  

「6年生、すごいや! これから もっとオナラしないと」。ジュニアは、そう言って秘書室を出ると、6年生の教室に向かう。ドアを開けると、そこには大きな子ばかり。一瞬、戸惑うジュニア(1枚目の写真)。生徒達も、チビが入ってきたので笑う。教師は、3年飛び級を驚きもせず迎え、一番前の席に座らせる。次には、「劣等性が去年のことを どのくらい覚えてるか見てみよう」と言って、「17×8」「72÷(-9)」を答えさせた後、一番の問題児の所に行く。「マーフ、3+2は?」。急に問題が簡単になる。中学生以上に見えるマーフは、「4」と答える。「君は、私がここに務め出してからずっと6年生だ。今年こそ卒業して欲しい。一緒に考えよう。3+2はいくつだ?」(2枚目の写真)。「9か?」。「長い1年になりそうだな」。その時、ジュニアが、「5だろ? 分かんないのか?」と口をはさむ。教師は、雲行きが怪しくなりそうなので、マーフ用の教材を探してくるといって教室を逃げ出す。マーフはのしのしとジュニアの席まで来ると、「誰が、赤ん坊を6年生にしたんだ?」と言い、「カバンの中は何だ? おむつか?」と訊く。「違わい。ランチだ、この能なし」。この言葉を聞いた生徒たちは、大急ぎで席を立って逃げる(3枚目の写真)。「チビ助は、口のきき方を知らんらしいな。俺は学校で一番の年上なんだぞ」。「知ってるさ。1970年からここにいるんだろ」〔=20歳〕。頭にきたマーフが飛び掛ると、ジュニアは机の下を這って逃げる。そして、黒板に追い詰められると、黒板消しを両手に持って、マーフの目の前で叩き合わせ目潰しにする。そして、傍らに置いてあったテープディスペンサーからセロテープを際限なくたぐり出すと、マーフをぐるぐる巻きにして行った。教師が戻ると、教室にいたのは、平然と机に座ったままのジュニアと、黒板に張り付けられたマーフのみ。
  
  
  

ベンが学校に迎えに来る。「学校の最初の日はどうだった?」。「最高。3つも飛び級したんだ」。ベンは、ひとくさり褒めた後で、「で、新しい友達はできたのか?」。「それは、『友達』の定義によるね」。その時、復讐に燃えたマーフが、ジュニアの真上に置いてある大きなパラボラアンテナを力づくで落とそうとしていた。しかし、落ちてきたアンテナは、背の高いベンの頭を直撃する。ベンが気付くと、そこは学校の保健室だった。美しくて優しそうな看護婦を見て、思わずボーッとなり、ドジなことをくり返すベンを見て、ジュニアは「2人してふざけてるなら、家に帰ろうよ」と文句を言う(1枚目の写真)。ジュニアは1時間も待たされてイライラしていたのだ。治療室から怒って出て行き、待合室に看護婦の写真が飾ってるのを見て、マジックでヒゲを描こうとする(2枚目の写真)。その時、「あたいなら、やめとくわ」と声がかかる。ジュニアが振り向くと、そこにはパチンコを風船で割った女の子がいた。「お前か、消えちまえ」。もう一度、同じ警告をくり返す少女。ジュニアが「もし僕なら、黙って見てるね」と言って、ヒゲを描き始めると、少女がジュニアの乗っているラグマットを引っ張り、ジュニアは見事に転倒する。倒れた顔の上に立った少女が、「今度からは、言うことを聞くのね」と言い、マジックでジュニアにヒゲを描く(3枚目の写真)。自分より小さな強敵の出現に唖然とするジュニア。
  
  
  

ベンは、ジュニアに母親が必要という大義名分もあって、女性からの攻勢にはきわめて積極的。遂に、ジュニア用にベビーシッターを雇い、初デートにまで漕ぎ着ける。強制的に事を運ばれたジュニアの腹は収まらない。おまけにベビーシッターは最悪ときている。デート相手への仕返しは、離婚相手の男性に電話をかけること。離婚して家も金も自尊心も奪われた男性は、デート場所を教える「無名の友達」からの電話でレストランに直行。デートは中止、ベンは殴られ損。ベビーシッターはボーイフレンドまで呼び込んでセックスを始めたので、ジュニアは、その映像を自宅の壁面に投射し、溜飲を降ろす。後で、ベンから叱られたことは言うまでもない。その最中にドアがノックされ、入ってきたのは何と祖父。「パパ、なんでここにいるの?」。「お前と休暇を過そうと思ってな」。ここで、ジュニアが、「どうやって、ここ 見つけたんだろ?」とベンに疑問をぶつける。祖父は、「この悪党め」と言って、嫌がるジュニアの頭を撫ぜる(1枚目の写真)。ベンは、怪しいと思って問い詰める。「一度だって休暇を取ったことがない。もし取っても、僕はお呼びじゃないはずだ」。「お前は、ただ一人の息子じゃないか」。「僕を嫌ってたろ」。「分かった、当たりだ。休暇じゃない。破産したんだ。連邦倒産法第11章。倒産処理に入り、債権者に追われてる。身を隠す必要に迫られた」。ジュニアが、「なんで、他のどっかで隠れないのさ?」と突っ込む。「そんなこと、お前の知ったことか。口出しするな」。ジュニアには厳しい一方、息子には、「今まで、住む家を与えてやったじゃないか。短大を続けられるよう学部長に賄賂だって渡したろ。いいか、お前は俺に借りがあるんだ」。負けが分かって絶望的になるジュニア(2枚目の写真)。祖父の寝る場所は、狭い家なので、ジュニアの部屋しかない(3枚目の写真)。2段ベッド〔写真の右側〕の上を取られ、投げ込んだ荷物でレゴで作った自宅の模型が壊されてしまう。おまけに、祖父が連れ込んだ犬が、床に落ちたレゴにおしっこをかける。
  
  
  

ジュニアの災難は続く。学校で見かけた例の小さな女の子。復讐をしてやろうと、パチンコを持って追いかける(1枚目の写真)。後ろを向いたところを、「おい、ウスノロ」と声をかけられ、「よくも言ったな。後悔させてやる」。「そうかい」と言うと。女の子は、非常用の消火ホースから大量の水をジュニアにぶつける(2枚目の写真)。水の勢いで吹き飛ばされるジュニア。この主客逆転は 観ていてちっとも面白くない。ジュニアは、例の看護婦のいる保健室で、タオルで何重にもくるまれている。そこに、連絡を受けたベンが駆けつける。ベンは一目見たときから彼女が気に入っていたので、「これからジュニアと夕食を取るんだけど、もし予定がないんなら一緒にどう?」と誘うが、「できないわ」。「だったら、金曜の夜なんかはどう?」。「行きたいけど、だめなの」。「土曜は?」。「どの夜も、全部だめ」。ジュニアは、このやり取りを安心して見ている(3枚目の写真)。「私、問題を抱えてるの」。「何だって?」。「誰とも、出かけられないの」。「でも、夕食ぐらい…」。ここでジュニアが口を出す。「パパ、この人が言ったこと聞いてなかったの? 問題を抱えてるんだ。困らせるのはやめて、出てこうよ」。
  
  
  

次は、小さなエピソード。再び隣の家。双子の姉妹が、「レモネード。絞りたてのレモネード」と売っているのを聞き、ジュニアが「1杯もらおうかな」と寄って行く(1枚目の写真)。しかし、1杯2ドルを要求され、ポケットには25セント1枚しかない。双子:「なら、負け犬は、喉を渇かせてなさい」。この双子、実に感じが悪い。レモネードが少なくなったので、2人は、どちらが持ってくるかで もめた後、ジュニアにビンを一杯にして来てと提案する。一杯にして来たら、1杯タダであげるというのだ。悪戯を思いついたジュニアは快諾し、ビンを持って物陰へ。そしてズボンのチャックを開けると、ビンにおしっこを入れる音が23秒も続く。それでも4分の1が半分になっただけだ。「ほらどうだい」。「半分しか入ってないじゃない」。「全力でやったんだ」。「足りないわ。これじゃ、タダじゃあげられないわ」。目的は果たしたので上機嫌で去っていくジュニア。さっそく、自分の家の車のリヤハッチに座ると、様子を見ている。やがて、双子の父〔プロパンダスで吹っ飛んだ男〕がやって来て、「父さんからも2ドル取るのか」と文句を言いつつ、500ccはありそうなグラスを一気に半分飲み干す。そして言った言葉が「強烈だ(Tangy)」。それを聞いたジュニアは、大声で笑う(3枚目の写真)。
  
  
  

次は、学校での小さなエピソード。小さな女の子との3回目のバトル。廊下を歩いていたジュニアは、「おい、犬づら」と声をかけられる。怒ってジュニアが振り向くと、女の子は、「やっぱ、そっくり」と言って中指を立てる。本当に性悪だ。睨みつけるジュニア(1枚目の写真)。追っていくと、女子トイレに逃げ込む。入ってこれないので、中からはバカにする歌声が聞こえる。ジュニアは、女子トイレに構わず、中に入っていく。「クソ女は殺してやる」。当然、女の子は便器の上に乗っているので、どのブースかは分からない。諦めて出て行くフリをして、ドアだけ閉めてそのまま中に隠れる。そして、女の子がブースを出て来たところを捕まえて、そのままブースに押し戻す。絶体絶命のハズなのだが、逆に女の子に脅される。「生まれてきたこと、後悔するわよ」。ジュニアは、「おおコワ。トイレでチビる女の子に脅されちゃった」と、最初は余裕たっぷり(2枚目の写真)。「何で、僕に絡むんだよ?」。「あんただけじゃない。この学校は、あたいのものよ」。「誰がそう決めた?」。「あたいと、このM80よ」〔M80は超強力な爆竹〕。そして、その場で火を点けて、ジュニアの手に握らせる(3枚目の写真)。ジュニアは、「この気違い!」と叫んで、便器に放り込み、急いでトイレから逃げ出す。また、小悪魔に手玉に取られてしまった。
  
  
  

隣の双子の最後の登場シーン。大きな声で「クリアランスセール!」と叫んでいる。興味を持った祖父が近付いていくと(1枚目の写真)、そこに並んでいたのは全部自分の持ち物。犬までいる。怒った祖父が、「このペテン師ども、どこで手に入れた?」と訊くと、ジュニアから一括10ドルで買ったと答える。ジュニアが自分の部屋で、クローゼットを見ながら、「やっと、部屋を取り戻した」と喜んでいると、そこに祖父が服を持って入って来る(2枚目の写真)。「このサイコ野郎、今度ばかりは やり過ぎたな!」。ジュニアも黙っちゃいない。「黙れ!」と応戦。祖父も負けていない。「この悪タレ。ちょっとは年配者を尊敬しろ。しないなら、教えてやる」と言ってベルトで叩こうとする。ジュニアはヌンチャクで対抗。襲いかかろうとした祖父は、ジュニアが体を避けたので、そのまま窓を突き抜けて落ちていく。幸いというか、残念ながらというか、祖父は窓の外の木に引っかかる。ジュニアが窓を閉めたところにベンがやって来て、これからサプライズで遊園地に連れてってやると言い出す。車に乗り込んだ2人。「ジュニア、おじいちゃんを見なかったか?」。「最後に見たのは、外に出てくとこだよ」。祖父は枝の上から「助けて」と叫んだが、ベンは気付かずに車を出した(3枚目の写真)。
  
  
  

ジュニアは、遊園地でベンを独占できて大喜び。十分遊んだ後に、「CRAZY DANCE」というアトラクションが気に入った。伝統的な「ティーカップ」が進化したタイプで、カップの回転速度が速いところが人気。ジュニアは張り切って乗ろうとするが、係り員に身長不足で乗れないと止められてしまう(1枚目の写真)。そんなジュニアを最初にからかったのは、万年落第生のマーフ。「赤ん坊は乗れないってか? なんでかな? おむつを濡らしちゃ困るからだろ」と皮肉ってから乗り込む。その次が、例の小さな女の子。ジュニアが、「おい、チビ」の声に振り向くと、生意気娘が、「チビ助って大変ね」と言って、切符を出して乗り込んでいく。そして中に入ると、ジュニアに、背を高く見せた靴を見せびらかす。この2人に頭にきたジュニアは、こっそりマシンの下に行き、スピードを4から「危険」の最高値7に上げる(2枚目の写真)。あまりの速さに気分が悪くなって吐く生意気娘(3枚目の写真)。マーフも吐く。乗っている全員が吐いて、辺りは汚物まみれに。
  
  
  

遊園地から帰宅する車の中で、ベンはジュニアを何とかしようと真摯に語りかける。「やり直そうと思って、この町に来たんだ。みんなが、君を問題児だと言ったからな。僕は、それは間違いだ、君にはチャンスを与えなきゃと思った。でも、ちっともまともな生活を送れない。デートにも行けない。恐ろしいことが起きるから」。「出かけなきゃいいんだ」。「他の人と過ごすからといって、好きになるわけじゃない。分かるだろ?」。「何となく」。「じゃあ、第一歩だ。こうすることにしよう。君の力になると約束しよう。だから、いい子になるって約束するんだ」。「いいよ、約束する」。「もっと真面目に。いいか、空約束なんかじゃダメだ。これは、信頼を取り戻すための、2人の間の協定なんだ。で、どうするんだ? 君は、改心して、友達に『最高の子供だ』って自慢できるようになれるのか?」。「分かった。いい子になるよ」(1枚目の写真)。しかし、家に入ると、そこは別世界に変わっていた(2枚目の写真)。ベンに惹かれた町一番の企業家の女性が、祖父に取り入って、ベンの家中を自分のシンボルカラーの赤で飾り立てたのだ。驚いている2人の前に祖父が大機嫌で現れ、全身真っ赤な服の女性デュモアを紹介する。ジュニアは、その怪しい雰囲気に警戒、贈られた植木鉢を床に落として反発する。デュモアは、それを見ても怒らず、「ただのゴミよ。すぐに片付けるわ」と言って、掃除機で吸い取りながら、ベンには「思いやりと理解のない世界なんて、誰が住みたいと思うかしら」と言い、ジュニアには「そうでしょ、坊や」と言った後で、小さな声で、「今度何かしてご覧、足をちょん切って、生き埋めにしてやるから」とにこやかに付け加え、鼻を指でポンと押す(3枚目の写真)。実は、このデュモア、最初にベンにアタックしようとして、身元調査をした際、ジュニアの資料を見て、「この子は悪夢ね」と言い、部下に、「なら、諦めますか?」と訊かれ、「痛めた足の持ち主がいたら、足を切除すればいい」と答えた人物だ。ジュニアのことは十分に知っていて、その対処法も準備していたのだ。
  
  
  

明くる日、現れたデュモアは、豪華な手作りの夕食を作り始める。ベンとデュモアの熱々の様子を見たジュニアは、「パパと約束したから、デュモアは攻撃しない。だけど、犬がしないとは言ってない」と考え、祖父の犬に催眠術をかけ、デュモアを攻撃させようとするが、犬が固まってしまって失敗。万策尽きてキッチンに入り、デュモアの横を通りかかると、「今まで何をしてたの?」と強い調子で訊かれ、「あんたの知ったことか」と反撃する。そして、デュモアに、「実に嫌な子ね。部屋に行って着替えてくるのね。汚い子は私のテーブルに座らせないわよ」と言われると(1枚目の写真)、「あんたのテーブルだって?」と一矢報いるが、「行って」と包丁を向け怒鳴られて退散。自分の部屋に行くと、そこは大嫌いな道化で埋め尽くされていた。それを見て、ジュニアは、「あの女を縮み上がらせてやる(bustin' my balls)」と誓う。豪華な夕食始まると、前菜のサラダから大量に出て来たのはゴキブリの群れ。はんぱな数ではない。それがガラスのテーブルの上を広がっていく(2枚目の写真)。当然、ジュニアはベンに強く叱られる。「君には失望した」。「でも、パパ、あの人 僕を嫌ってるんだ」。「2人で誓っただろ。それを破ったんだ」。「彼女は、他の人と違うんだ。悪人だよ」。「君には、すべての女性が悪人なんだ。あの人は好意しか抱いてない。夕食を作ってくれたのに、これが、そのお返しか? 君には本当に失望した。もう信頼できるとは思えない」。この強い非難の言葉に落胆するジュニア(3枚目の写真)。ジュニアの部屋から出て来たベンに、デュモアは「そんなに厳しくしないで」と言い、ベンの「父親として失格だ」との言葉には、父親にはできなくても母親には別のやり方があると言って部屋に入って行く。しかし、部屋に入った途端、デュモアは豹変。「よくお聞き、このモンスター。私の方が強いんだ。私は好きなようにやる。だから、引っ込んでることね。嫌でも何でも、あんたのパパと結婚してやる。そしたら、最初の飛行機に乗せて、全寮制の寄宿学校だよ。バクダッドの」。何とも凄まじい。
  
  
  

小学校を開放したイベント。入口で、ジュニアが「パパ、信じてよ。バグダッドって言ったんだ」と訴えるが、「忘れろ。使用度はゼロなんだ」と問題にされない。そして、イベントの最中変なことをしないよう命令される。ジュニアが作った「電気の働き」という理科の展示は、死刑囚に電気を通すと、首から煙が出るというもの。前作に登場する「ちょうネクタイの殺人鬼」ベックが死刑囚なのが可笑しい(1枚目の写真)。人形劇のショーでは、途中で人形が舞台から消え、もう一度現れた人形は下品なネタを連発する。これはきっとジュニアのせいだと思い込んだベンは、舞台に駆け上がり人形を取り上げると、中から現れたのは、あの問題児の少女。「君は誰だ?」との問いに、「あんたこそ、何なのさ?」と生意気な返事。学校の看護婦が「トリクシー!」と叫んで舞台に駆け上がると(2枚目の写真)、「10分と放っとけないのね。なぜこんなことをしたの?」と非難する。「だけど、この子たち、あたいにやらせてくれなかったモン」。そこには、3人の子供たちが縛られていた。「そんなの理由にならないわ。今すぐ、ここから出て行くわよ」と言うと、看護婦はトリクシーを引っつかんで、逃げるように去って行った。かつて看護婦が、ベンに対して交際を断ったのは、問題児トリクシーを抱えているからだった。翌日、ベンが、外で遊んでいたジュニアを玄関に呼ぶ。「話がある」。「おじいちゃんが出てくの?」。ベンはそれを否定し、重要な話だと前置きし、デュモアと結婚することにしたと告げる(3枚目の写真)。その後の激しい口論。最後にジュニアが、「とんでもない間違いだ」と言うと、バンは「僕は大人だ、好きなようにする」と問答無用を宣言する。
  
  
  

ジュニアとベンがピザ店に夕食に入って行くと、たまたま、そこに看護婦とトリクシーの親子がいた。それに気付いたベンが一緒のテーブルに座り込む。そして、2人は仲良く話し始める。それを見ていたトリクシーは、ジュニアに「あんた達、何でジャマすんのよ? せっかくママと楽しんでたのに」と文句を言う。ところが、ジュニアは、これでデュモアとの結婚が阻止できるかもしれないと思い、「ツンケンするのはやめて、楽しくやらせろよ」と答える。ところが、ピザ店には校長が愛人と一緒に来ていた。そして、最悪の悪タレ2人が一緒に座っている恐ろしい光景を見てしまう。「あのガキ、それに、おてんばだ。奴らが一緒にいる!」。そして、その甲高い声は、2人にも届いた。「あたい、あいつ大嫌い。あの、カンにさわる声もね」。「そうだな。止めてやろうか」。そう言うと、ジュニアは食べ物をパチンコで愛人の胸目がけて打ち込む(1枚目の写真。矢印ではさまれているのが、飛んでいく食べ物)。それからは、アメリカ映画に定番のフードバトル(2枚目の写真)。ピザ店から追い出された4人だったが、外に出た後で、トリクシーはジュニアに、「あんたのパパ、面白いわね」と言い、ジュニアは、「僕には負けるけどね(He takes after me)」。そして、決定的な言葉。トリクシー:「ごめんね、消火ホースの水かけちゃって」。ジュニア:「いいんだ。こっちも、遊園地で吐かせちゃってごめん」。2人は和解する。「あんたのパパ、あたいのママを好きみたいね。だけど、イライラしないわ」。「そうなんだ。君のママ見てても、イライラしないんだ」。これで2人は仲良しになることに(3枚目の写真)。その夜、トリクシーを呼び出したジュニアは、「メチャ変なアイディアがあるんだ。僕らの両親を結婚させよう」と打ち明ける。「何言ってんのよ。あんたのパパ、明日、結婚式じゃない」。「ちょっと計画変更させるんさ」。そして2人は、夜の町を延々と歩いて、「願いの石」まで行き、両親同士の結婚を願う。
  
  
  

そして、翌日。いよいよ結婚式が始まり、牧師が結婚の誓いの儀式を始めると、ジュニアが「ダメだよ! パパ、やめてよ!」と叫ぶ(1枚目の写真)。これは、ほとんど効果がなかったが、決定的な妨害はトリクシーが「願いの石」をブルドーザーで運んできて、それを会場目がけて転がしたこと。それを見たデュモアは、「子供なんか大嫌い! なにもかも ぶち壊にして! もしできるんなら、地球上から抹殺してやるのに!」と叫ぶ。これで、ベンはデュモアの真の姿に気付く。そして、転がってきた石にデュモアが下敷きになっても(2枚目の写真)、ベンは見向きもしない。そこに、トリクシーが大変なことを仕出かしたと、看護婦が駆けつける。そこで、ベンは看護婦に愛を打ち明け、それを見たジュニアとトリクシーは「やった!」と大喜び。ベンが、ジュニアの前に膝を付いて「ありがとよ、相棒」と言うと(3枚目の写真)、ジュニアも「パパだから、やったんだ」と応える。
  
  
  

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